革が色落ちする理由と防止する方法

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以前「革のカバン・バッグから服への色移りを防止する方法」という記事で色落ち防止スプレーの紹介をしましたが、革が色落ちする理由や他の防止方法等について調べてみました。


(画像は「ブライドルレザーの革小物について3」より)
革の色落ちを防止する方法

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1.革製品が色落ちする理由

まず前提として「革製品は色落ちするもの」と思った方がいいです。

色落ちの要因としては、ひとつは革に含まれる染料や顔料が他の繊維素材や革に移る場合、もうひとつは染色革の細かい繊維粉末の付着の2つが考えられるようです。

前者は一般的な色落ちで、革と染料・顔料の結合が弱いために他の繊維などを汚してしまう場合です。

後者はスエードやヌバックの起毛処理によって生じるバフ粉が最終まで残ってしまった場合です。

どちらかと言えば前者の「一般的な色落ち」が悩みの種かと思います。

その要因である「革と染料・顔料の結合が弱い」というのは防げないものでしょうか。

2.革製品自体の色落ちは防げるか

調べたところ、次のような理由により色落ちしない革(高染色堅ろう性革)を作ることは難しいようです。

  • 低温染色(高温染色すれば定着がよくなるが、革は耐熱性が低く、風合いが損なわれる)
  • 皮の断面を染める高拡散性の酸性染料を使用するため、汗や雨で溶出されやすい
  • 染色後に多量の加脂剤(柔軟効果を与えるもの)を加えるため、革と染料との結合性が一層弱くなる

その他、「高pHを必要とする現状の反応性染料は革基質を損傷するため使用が限定されている」という状況もあるようです。

色落ちしないように表面を加工して完全に色止めをすればよいのでしょうが、それでは革製品の良さが失われてしまうので表裏一体といったところでしょうか。

3.色落ちを防止する方法

前項より、とにかく雨や汗に触れない状態で使用することが好ましいです。

雨の日に革製品の使用は避けた方がいいでしょう。晴れの日でも折り畳み傘は忘れないようにしましょう。

また春先から夏にかけて汗が多くなります。革製品を身体に直接触れないようにすることはもちろん、白やベージュ等の薄色の服を着る場合、革製品を身体に強く押しつけるような状況がないようにした方がいいでしょう。

私は黒革のショルダーバッグを斜め掛けにして歩いていたところ、革と擦れた部分が黒ずんだことがあるので、革製品が常に体に接触する状態を避け、ときどき持ち替える・肘にかける・手で持つといったことをお勧めします。

あとはできるだけ撥水状態を維持するようにします。具体的には防水スプレーや専用のワックスがけを行うことです。

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